公告の際に注意すべきこと
前回、いかなる場合に、宗教法人が公告をする必要があるのかをご紹介しました。おさらいすると宗教法人法第23条に、以下のような行為をしようとする際に必要である旨、規定されています。
一 不動産又は財産目録に掲げる宝物を処分し、又は担保に供すること。
二 借入(当該会計年度内の収入で償還する一時の借入を除く。)又は保証をすること。
三 主要な境内建物の新築、改築、増築、移築、除却又は著しい模様替をすること。
四 境内地の著しい模様替をすること。
五 主要な境内建物の用途若しくは境内地の用途を変更し、又はこれらを当該宗教法人の第二条に規定する目的以外の目的のために供すること。
また、各宗教法人の規則や、本山などの包括団体がある場合はその規則においても、上記以外の特別の定めがある場合もあります。
上記のような行為をすると、行政機関への届出等の手続きが派生的に発生する事がよくあります。例えば、宗教法人を解散した、宗教法人の規則を変更して新たに事業を始めた、新築した境内建物の所有権を登記した、などなど。
これらの届出等を行う際には、定められた公告を行った事の証拠を求められる事が殆どです。具体的には、
●公告証明書を作成する。
複数名の利害関係者に、きちんと公告している事を確認してもらい、例えば下記のような証明書に署名捺印してもらう。
●公告が掲示である場合は掲示状況を示す写真、機関紙等への掲載であれば掲載した冊子を準備する。前者の場合は、掲示場所が確認できる「引き」のショットと、掲示の文字が判読できる「アップ」を混ぜて数枚用意して併せて提出する。
といった手続きが必要です。特に掲示状況を写真で記録する際は、掲示終了後には手配のしようがありません。役所に届出をしようとしてから「公告状況を示す写真も出してください」と言われて困る事のないよう、公告を掲示で出したら、必ず写真をとっておく、掲載内容を見て確認して下さった利害関係者を3名ほどは確保しておく、事を習慣としておかれるのが宜しいかと思います。
公告の必要性と共に、これらの事もどうかご留意下さいね。
さて、上記公告証明書に署名捺印していただく「利害関係者」ですが、通常は檀信徒さんで宜しいかと思います。が、いつも総代会や責任役員会などで議事録に署名してもらっているからと言って、これら総代さん、責任役員さんらにお願いする事はできないと考えるべきです。何故だかおわかりですか? 答えは次回に。